INTERVIEW about beauty vol.05 若井 ちえみ
愛を込めて、ひとりひとりに喜びを。
東急世田谷線「松陰神社前」駅からすぐの花屋「duft(ドゥフト)」を営む傍ら、店舗やイベント・結婚式の装花を行うなど多方面に活躍される若井ちえみさんと
彩り株式会社渡井が対談。日頃のお仕事と花のある暮らしについて伺いました。
30歳での独立、見えはじめてきた自分の色。
渡井:フラワーデザイナーのキャリアはご出身の北海道からスタートされたんですよね?
若井:はい、たまたまみつけた求人募集がきっかけで、最初は掛け持ちのアルバイトのひとつでした。札幌での1年間でお花の魅力に引き込まれ、もっと色々と勉強するため上京しました。銀座に1年、中目黒に3年ほど勤め、30歳になる年に今のお店をつくり独立しました。これまでの様々な経験が土台となって今の仕事にもつながっています。独立してまだ3年目ですが、何が好きなのか、どういうことをやりたいのか、自分と向き合い続けて、段々と自分の色が出てきたのかなと感じます。自分に興味を持ってくれた方から依頼をいただくようになり少しづつ仕事の幅も広がってきて大変ありがたく思います。
渡井:充実されているようですね。30歳での独立、若いように感じますが、いかがですか?
若井:今はSNSでお客様にPRできるので店舗を持たずに独立する若い方も増えているんですよ。インスタグラムを見てこの店にもご近所だけでなく東京近郊や遠方からも来ていただけるお客様がいるので、それがこれからも続くように、ひとりひとりのお客様を大事にしなくてはと思っています。
パワーをもらえる花と向き合う時間。
渡井:ご来店されるお客様はどういった方がいらっしゃるのですか?
若井:女性はもちろんですが、おひとりでいらっしゃる男性も意外と多いですね。お花を美術館やギャラリーのように、お花を静かに見てもらえるような場所にしています。常連さんも多く今週はこのお花にしてみようかなとご自分用に1本から購入されていく方もいるんですよ。
渡井:1本でも花があると生活が華やかになりますよね。仕入れる花はどのような点にこだわっていますか?
若井:お花に興味がない人でも飾ってみたいと思ってもらえるようなものを仕入れています。1輪でも様になったり面白さを感じられたりその季節にしかないお花をお客様に感じてもらいたいなと思います。お店には好きなお花しか置いていないんです。
渡井:お店はひとりでやられていると伺いましたが、大変ではありませんか?
若井:そうですね、もちろん体は疲れますが、自分の意思でやっているので辛くはないですね。特にいい提案が出来てお客様が喜んでくれた時はとてもうれしいです。ただ独立1年目で体調を崩した時期があってそれから良質なタンパク質を摂るなど食べ物には気を付けるようにしています。
あとは睡眠ですね。寝ればリフレッシュ出来るので大事だと思います。私は極度の乾燥肌なのですが女性として肌が荒れるとメンタルも落ち込むのでクリームやオイルには気を遣って保湿ケアをするようにしています。
渡井:最後に若井さんにとってお花とはどういう存在ですか?
若井:パワーをくれる存在です。フラワーデザイナーはお花をなるべく長生きさせてキレイに見てもらえるようにする仕事ですけれど自分もすごくお花に生かされていますね。「すごい疲れた~」という時でもお花と向き合っている時間はとても好きでパワーをもらっています。忙しい時でもお花のお手入れは欠かせません。ご自宅でも同じですが1日1回はお水を変えて茎をちょっと切る。
お花も生きているのでその小さな積み重ねがスキンケアと同じで大事なのかなと。お客様にもお花が喜ぶケアの仕方を一言添えるようにしています。
PROFILE
若井 ちえみ
フラワーデザイナー/duftオーナー
1986年生まれ、北海道出身。札幌市内の花屋で働いたのち独立を目指して上京。
多店舗での勤務を経て2016年5月、松陰神社前にフラワーショップ「duft(ドゥフト)」をオープン。
instagram @chiemiwakai_duft