INTERVIEW about beauty vol.04 牧野 雄太

四季と風味をとりいれ食事を楽しむ

西麻布の名店サル・ドゥ・マキノのオーナーシェフとしてフレンチベースで趣向を凝らした創作和食を提供する牧野雄太さんと彩り株式会社代表・渡井が対談。

四季のある日本ならではの食文化について伺いました。


フランスで再認識した四季折々の風味の楽しみ方

渡井:ご両親の影響とのことですが、料理の道を目指そうと思ったのはいつからですか?

牧野:母が料理好きだったことに加え、父が魚専門の小料理屋によく連れて行ってくれました。朝獲れたての魚を出してくれるのを見て中学の頃「とてもかっこいいな」と、やがて料理の道に進みました。専門学校卒業後、都内の懐石料理店、NOBU TOKYOと修行を重ね、仏・ストラスブールの日本領事館で公邸料理人として従事しました。

 

 

渡井:フランスと日本では生活もだいぶ異なりそうですね?

牧野:どちらの国も家族で「食を囲む」ことが、特別な意味を持っている点は似ていました。フランスは寒い気候なため、ソーセージなどの保存食や煮込み料理が多いのに対し、日本には四季ごとに新鮮な食材を大切にする文化がありました。そこで僕は、季節の食材、ハーブ、わさび、山椒、シソなど香りを大切に、どの料理にも風味を入れるようにしています。

風味とは、料理を食べた際に鼻に抜けていく香りのことで、フレンチにもイタリアンにも中華にもない日本特有の味わい方を確立していきたいと思っています。

渡井:旬の食材と一緒に風味を楽しむ。日本らしい考え方ですね。

 

 

食べることを考えたストーリーある料理

渡井:牧野さんの料理は彩りや盛り付けが特徴的ですが、フランスの影響でしょうか?

牧野:そうかもしれません。洋皿に和の料理が乗るというのも外国の方に自然に受け入れてもらうために考えた結果でした。

渡井:前菜のパフェ料理も同じ発想からですか?

牧野:見た目と別の意味もあって。あの料理は最後にお客さんが自らスプーンで混ぜて完成なんですよね。お客さんにも楽しんでもらいたいという想いから生まれました。

渡井:ひと手間加えることでワクワク感も生まれそうですよね。

牧野:他にもお店では「ストーリーのあるコース料理」を提供していて、冷たい料理の後に温かい料理を提供し、味の強弱など歌のようにサビに行くにつれて盛り上がるよう順番を工夫しています。

 

渡井:食べる人の気持ちの流れを考えて、料理づくりをされているんですね。

牧野:そうですね。あとバターや生クリームを使わずにカツオだしとユリ根でホワイトソースををつくり脂肪分を抑えたり、血液をサラサラにするソバの実を揚げて盛り付けたり、ワインとの飲み合わせを考慮しながら脂の少ない短角牛やコラーゲンを含む豚肉等を選んでいます。コースでは100種類以上の食材を使っています。

渡井:100種類も!健康や美容面にも良さそうです!

牧野:あとは作り手側として、道具を大切に使うこと、挨拶、食材への気持ちというのも大切にしています。そうでないとおいしい料理は絶対につくれないですから。

 

渡井:気遣いがたえませんね。そうすると休日は料理から離れたくなりませんか?

牧野:料理はやらないほうが辛くて、家でも作っています(笑)

渡井:それはすごい!これからいっそう暑くなりますが料理作りのアドバイスはありますか?

牧野:食欲が細くなると酸味が欲しくなるので酢の物や、サラッと食べられ、水分バランスや消化を整えるとろろ芋のすり流しはおススメです。オクラはお店でもよく使っています。

渡井:食欲が無い時にサラッと食べられるのはうれしいですよね。

牧野:お店でも家でも、食べてもらう人の笑顔を想像してっていうことは大事ですね。

 

 

※サル・ドゥ・マキノは現在閉店しております。

 

 

 

 

PROFILE

牧野 雄太

シェフ

赤坂『貝作』『NOBU TOKYO』などで修業を積み2004年にフランス・ストラスブール日本総領事館公邸料理人を務める。

外務大臣賞を受賞「優秀公邸料理長」の称号を授与される。

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