UVケアの基礎知識 紫外線の正しい知識を身につけて

太陽がきらめくシーズンの到来。あなたは白肌派ですか?それとも小麦肌派?
小麦色に焼けた夏の肌は絵になりますが、イメージだけのヘルシーさには思わぬ落とし穴もあります。紫外線の正しい知識を身につけて、本物のヘルシービューティーを目指しましょう。


紫外線対策、しないとどうなるの?

 

紫外線を浴びると、日焼けをして肌の色が変わりますよね。
ただ、安易にそれだけと考えてはいけません。紫外線は皮膚や目に、次のようなダメージを与えることが報告されています。

 

【急性のダメージ】
◎日焼け(サンバーン、サンタン)
◎紫外線角膜炎
◎免疫機能低下

 

【慢性のダメージ】
◎ 肌の光老化
◎ 皮膚がん
◎ 目のダメージ(白内障・翼状片)


『光老化』という言葉をご存知ですか?

紫外線の影響は、肌が焼けて褐色に変わることだけではありません。
紫外線を浴び続けることで体内が酸化し、その結果生じるシワやたるみなどの加齢現象を「光老化」と呼びます。

 

 紫外線を浴び続けると、表皮細胞の内外に活性酸素が発生し、DNAを損傷させたり、細胞の働きに異常をきたし、シミ・ソバカス・肌荒れ・シワ・タルミなど、あらゆる“肌の老化”を促進させたりします
日本人(黄色人種)には比較的少ないですが、ひどい場合は皮膚ガンをまねく恐れもあるため注意が必要です。

 

 窓越しのカーテンや家具、本などの変色、畳が日焼けしてしまうのも紫外線の影響。
強い日差しを浴びた後に肌が赤くなってピリピリしたり、乾燥したりするだけでなく、窓越しの紫外線でも長期的にみると光老化の原因となるため、日常からのUVケアはとても大切です

 


紫外線の種類

私たちが日常的に浴びている紫外線は、UVAとUVBの2種類です。

 

UVA・・・「サンタン」をまねく。別名、“生活紫外線”。
お肌が、傷みはなく褐色に変わる、いわゆる“日焼け”をまねく紫外線。紫外線の中ではエネルギーは弱いが、肌の深い部分まで到達する。
長時間の積み重ねで真皮内のコラーゲンなどを変形させ、しわやたるみなど“光老化”の原因に。主に慢性のダメージをまねく。

 

UVB・・・「サンバーン」をまねく。別名、“レジャー紫外線”。
UVAよりエネルギーが強く、主に皮膚の表面(表皮)に影響を及ぼす。
強い日差しを浴びた時に、ヒリヒリ赤くなる炎症を引き起こしシミの原因に
短時間で腫れや水ぶくれなどの痛みを伴う、火傷のような急激な障害を起こすことも。主に急性のダメージをまねく。


日焼け止めの表示の意味

 

UV対策として、真っ先に思いつくのは日焼け止めではないでしょうか。
たくさんの種類の日焼け止めのパッケージに表示されている数値の意味や目安、きちんと理解していますか?

 

【SPF・・・サンプロテクションファクター】
何もつけていない場合に比べて、皮膚が赤くなるまでの時間を数値の分だけ遅らせることができる、という目安です。

 

UVBに対するカットの効果
    日常レベル SPF 10〜30
    野外・レジャー SPF 30~50(50+は50以上の意味)

 

例えば、赤くなり始めるのが20分の人の場合
 SPF15 → 20分×15=300分 300分÷60=5時間
 SPF30 → 20分×30=600分 600分÷60=10時間
日焼け止めの効果が期待出来るという事を意味します。

 

日焼けするまでの時間を何時間遅らせることができるか、という考え方の数値なので、やみくもに数値が高いものを選ぶのは考えもの
SPF値が高いものには、汗や水に強く落ちにくい分、肌への刺激が強くお肌に負担になるものもあるので、用途にあわせて選ぶのが大切です。海や野外スポーツ、レジャーの時はSPF値が高いもの、日常使いには数値の低いのものを、と使い分けると良いでしょう。

 

【PA・・・プロテクショングレードオブUVA】
 UVAに対するカットの効果
 皮膚が黒くなる最少量の紫外線に比べて、塗布時にどのくらいの紫外線に耐えられるかという目安です。

 

日本では2013年より、PA++++(4プラス)が最高水準となりました。

 

UVAPF      分類表示
2 以上 4 未満   PA+   UV-A防御効果がある。
4 以上 8 未満   PA++   UV-A防御効果がかなりある。
8 以上 16 未満    PA+++ UV-A防御効果が非常にある。
16 以上       PA++++ UV-A防御効果がかなり高い。

 

これらの考え方は、開発時に想定している使用量(2 mg/㎠)での目安で、実はかなりたっぷり(顔でパール2粒大程)塗らないといけない設定
少量しかつけていないと、表示のSPF・PA値より効果がかなり下がってしまうため、ムラなく塗ること、できれば2度塗りをしたり、メイクであればUVカット機能のあるアイテムを重ねづけしたりすることをお勧めします。
汗や皮脂で落ちてしまうと効果が弱まるので、特にレジャーなどでは可能な限り、こまめな塗り直しが必須ですよ。


まとめ

今回は紫外線によるダメージや、日焼け止めの表示の読み方をご紹介しました。
知っているだけで、日焼け止めの選び方や使い分け、使いこなし方が変わってくるかと思いますので、是非参考にしてみてくださいね。